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第5章 暗黒化への背景 1934
ヒンデンブルグから承認を得て
アドルフ・ヒトラーは1933年1月に首相就任を果たした。
翌年SSの隊長であるレームの策略により
「長剣の夜」と呼ばれる粛清が行われた。
これにより「国家社会主義のドイツの団結は保持され、全世界にその呪いを推し進めることになった」
チャーチルはこの事件から「いまや続々と明白な証拠を見せているドイツ再軍備の全過程は、残忍な毒々しさを帯びているように思われた」と語る。
フランスは外相バルトゥーがドイツ封じ込め作戦を進めていた。
フランスはソ連と連携することで、それを成し遂げようとし、
バルトゥーは1934年9月18日ソ連を国際連盟に加盟させることに成功した。
しかし、二か月後の11月に悲劇が起こった。
ユーゴスラヴィアのアレキサンダー国王がパリへの公式訪問中に暗殺された。
そこに同席していたバルトゥーも銃弾に倒れ、72年の生涯と閉じた。
バルトゥーの死により、フランス外交は転換を余儀なくされた。
後任のピエール・ラヴァールはイタリアにアフリカにおける利権を譲歩することでドイツと対抗しようとしていた。
しかし、その直後イタリアのエチオピア侵攻により全ての計画は頓挫した。
ルイス・バルトゥー(1862-1934)